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債券
投資適格社債のファンダメンタルズ
ピーター・ ベッカー
インベストメント・ディレクター
フラビオ・ カルペンザーノ
債券インベストメント・ディレクター
キーポイント
  • コロナ禍において、ファンダメンタルズが脆弱な企業が格下げされたこともあり、投資適格企業は全般に健全
  • 世界経済の減速により、企業利益率にはコロナ禍以来の下方圧力がかかる可能性。利益成長率は低下しているが、EBITDAはコロナ禍前の水準を維持
  • インタレスト・カバレッジ・レシオは健全な水準にあり、債務の大部分は2028年までに借り換える必要がないため、利上げの影響による資金調達コスト全般の上昇には時間を要する見込み
  • マクロ経済見通しは不透明であるため、保守的な姿勢をとりつつ、ボラティリティの上昇局面を利用した選別投資を選好

マクロの視点


欧米が景気後退入りするのか、そして中央銀行がどのように対応するのかはマクロ経済の重要な問題となっています。今のところ、景気は何とか持ちこたえており、中央銀行はインフレを抑制するため金融引き締めを続けています。しかし、最近の銀行セクターの問題が示すように、金利がこれほど高水準となるなかで金融引き締めを継続することには、リスクがないわけではありません。そのため、市場の関心は、FRB (米連邦準備制度理事会) がいつ金融緩和に転じるのかという点にシフトしています。政策転換の時期こそ不透明ですが、現行の利上げサイクルは終わりに近づいているとみられます。今後起こり得るシナリオとしては、中央銀行が利上げを一時停止して金利を高く維持し続ける、あるいは利上げを停止して緩和を開始する、の2通りが想定されます。いずれのシナリオでも、債券にとってはプラスに働くとみられます。


債券投資家は、「利上げ一時停止」シナリオでは、高水準のキャリーを引き続き得られる一方、「金融緩和への転換」シナリオでは、高水準のキャリーと金利低下による価格上昇の両面で恩恵を受けることになります。金融政策は逆風から追い風へと変化しているとみて、投資適格社債に対して強気な姿勢を取っています。ただし、不確実性が高いため、銘柄選択を重視した慎重なアプローチが賢明であると考えます。このアプローチの核となるのは、企業の本質的なファンダメンタルズを十分に理解することです。



ピーター・ベッカー  インベストメント・ディレクター。経験年数26年。入社以前は、アバディーン・アセット・マネジメントにおいてポートフォリオ・マネジャー、ウエリントン・マネージメントの債券プロダクト・マネジメント・チームにおいてマネジング・ディレクターとして勤務。CFA協会認定証券アナリスト。

フラビオ・カルペンザーノ インベストメント・ディレクター。経験年数18年。入社以前は、アライアンス・バーンスタインにおいて債券シニア・インベストメント・ストラテジストとして勤務。それ以前は、PIMCOにおいてクレジット戦略のプロダクト・マネジャーとして従事。イングランド銀行でキャリアをスタートし、市場部門のアナリストを務めた。


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