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債券
キャッシュから債券にシフトすべきか
ハラン・ カルナカラン
インベストメント・ディレクター
キーポイント
  • 不確実性が高まるにつれ、多くの投資家は資産を債券から「キャッシュ (現金および現金同等物) 」にシフトした。しかし、過去の金利サイクルを分析すると、これは最適なアプローチとは言えない
  • 市場見通しが不透明な局面ではよりディフェンシブな姿勢でキャッシュを保有するのは妥当だが、高格付け債券に投資する方が効果的
  • 米国の利上げは打ち止めが近く、投資開始時の利回りが高いことと併せれば、債券投資で今後数年間にわたって高いリターンを確保する投資機会と期待される

高インフレ、地政学的緊張、銀行破綻、依然として残る景気後退への懸念など、投資環境は非常に不透明になっています。こうした状況を前にすれば、市場から完全に手を引きたいと感じても不思議ではありません。


特に、「キャッシュ (現金および現金同等物) 」の利回りが10数年ぶりの高水準となっており、リスク資産には投資しないほうが安全だと感じるかもしれません。しかし、そうした姿勢はかえってマイナスに作用する可能性があります。私たちの分析に基づけば、数年単位で見た場合、市場から退避するよりも、投資を継続するほうが有効です。


債券は投資の継続に最適な手段です。実際、債券がその価値を最も発揮するのは景気後退局面です。景気後退期には債券は利下げによるキャピタルゲインが期待でき、ポートフォリオ全体ではリスクヘッジの役割を果たします。


歴史からの教訓


過去を振り返ることは、市場サイクルのさまざまな局面において、債券とキャッシュがどのように機能するのかを予想するのに役立ちます。2022年のような金利上昇局面では、債券価格は下落するため、キャッシュを保有する方が有利となるのは明らかです。しかし、世界中の金利サイクルがピークに向かう局面は、債券投資に再びシフトすべき分岐点となるのでしょうか。歴史を紐解けば、その答えはイエスと言えるでしょう。


1980年代以降、米国で一定期間以上続いた利上げサイクル* を分析すると、いくつかの興味深いパターンが浮かび上がってきます。



ハラン・カルナカラン インベストメント・プロダクト・スペシャリスト。債券およびソリューション・プロダクトを担当。アジア・パシフィック地域のリーダーを務める。経験年数18年。入社以前は、PIMCOにおいてシニア・ヴァイス・プレジデントならびに債券ストラテジストとして勤務。CFA協会認定証券アナリスト。


過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。投資の価値および投資収益は減少することも増加することもあり、当初投資額の一部または全部を失うことがあります。本情報は投資、税務もしくはその他の助言の提供、または証券の売買の勧誘を意図するものではありません。

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